乾癬

尋常性乾癬の病態生理について研究をしています。

近年、乾癬の治療薬として活性型ビタミンDが注目されています。活性型ビタミンDの生理作用は、カルシウムの吸収促進や代謝促進、細胞分化誘導、免疫調節作用など多岐にわたり、活性型ビタミンDおよびビタミンD類の改変体は骨粗鬆症治療薬、ビタミンD代謝異常による諸症状の治療薬、副甲状腺機能亢進症治療薬、尋常性乾癬治療薬などとして広く使われています。

尋常性乾癬に対しての効果は1985年に骨粗鬆症の患者に対して1-αOH-D3の内服投与をしたところ合併していた乾癬が改善したことから始まりました。その後内服では皮膚局所での有効濃度に達さないことが分かり、現在では外用薬が主に使用されています。ステロイドの外用剤と比べ副作用が少ないことから現在は外用治療におけるもっとも重要な薬剤となっています。

しかしその効果発現機序はまだ明らかになっていない点が多いのが現状です。当科では乾癬におけるビタミンDとその代謝酵素の働きについて研究しています。