当科の研修の特徴
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施設の特徴
当院は地域病院・開業医から、様々な難治症例を多数受け入れており、平成25年 度東京都入院施設の DPC 調査結果によると、当施設の皮膚悪性腫瘍症例数は第3位、 水疱症症例数は第2位であり、都内でも有数の症例数を経験できる。同時に common disease の患者も多数来院するため湿疹、足白癬などから皮膚悪性腫瘍、自己免疫性 水疱症まで、当院では市中病院と大学病院で同時に研修しているくらい、幅広い症例 を万遍なく経験できる。一般外来以外に、乾癬外来,アレルギー外来,脱毛症外来、 光線外来、腫瘍・手術班を設けており,それぞれの専門医の直接の指導が受けられ、 サブスペシャリティを持つための幅広い研修ができる。
悪性腫瘍の手術は非常勤の専門医も参加して行っており、さらに当科は形成外科と 密に連携することで、形成外科との合同での手術では形成外科医から直接技術を学ぶ こともできる。 藤田准教授が乾癬を専門分野の一つとしているため、乾癬外来には尋常性乾癬・関 節症性乾癬のみならず、膿疱性乾癬・乾癬性紅皮症も含め遠方からも多数の患者が受 診する。外用・内服・光線療法の他、生物学的製剤も積極的に導入している。また多 くの新薬の臨床試験を行っており最先端の治療を実践でき、臨床研究のみならず、疫 学調査、基礎研究など幅広く手掛けている。
当科ではアレルギー性疾患の診療にも非常に力を入れている。木曜日の午後にアレ ルギー外来を呼吸器内科、耳鼻科、眼科、小児科と連携して行っており、多数の患者 の診療を行っている。特に蕁麻疹の治療に力を入れており、検査から治療までの過程 を通して経験することができる。
また、当科ではナローバンド UVB(全身照射型1台、部分照射型2台)と、308nm エキシマライト(セラビーム1台、VTRAC1台)との計5台の紫外線機器を所有して おり、光線療法にも力を入れている。一般診療でも光線治療を行う他、光線外来を設 け、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、円形脱毛症、結節性痒疹、掌蹠膿疱症、皮膚リ ンパ腫、難治性手湿疹、扁平苔癬、限局性強皮症、GVHD などさまざまな疾患に対し て光線療法を行っており、光線療法に習熟することができる。
研究は,乾癬、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー疾患を主なテーマとし ている。皮膚アレルギー性疾患は蕁麻疹、マスト細胞が重要な役割を示す疾患を中心 に分子生物学的に解析しており、多くの成果を発表している。また、他大学との共同 研究も多数行っている
研修の特徴
積極的に学会発表を行うことを奨励している。学会発表を行う際は、各症例毎に1 対1で上級医が指導を担当し、事前の症例検討会から学会発表、さらには論文執筆に いたるまで、きめ細かな指導を受けられることが当教室の大きな特徴である。 毎週、教授回診1回と准教授回診1回が行われ、入院患者の病態を深く理解しプレ ゼンテーションを行うことで、プレゼンテーション能力を養うとともに、医局員全員 で様々な皮膚疾患の臨床やその診断と治療についての知識を共有できるようにしてい る。さらにそのような過程を通して、常にエビデンスを十分考慮した上で個々の患者 に合わせた医療を実践できるようにしている。
専門分野を決めてもその分野だけに特化するのではなく、教室員全員が常に様々な 疾患を診療していくシステムを採用しており、自身の専門分野に関わらず、様々な疾 患に対応できる能力を身につけることを重視している。
また、皮膚科やその関連領域に関する広い視野を持つことに努め、週に1度の抄読 会ではお互いに勉強した知識を共有している。サマーセミナーやウインターセミナー の等の名称で、各分野の専門家を招いた講演会を定期的に行っており、最新の知見を 勉強できる。
日本皮膚科学会専門医試験を早い段階から意識し、上記を実践することで、普段の 診療の積み重ねから自然に専門医試験に必要な知識が身に付けることができる。当院 では合格率の低い皮膚科専門医試験において全国有数の高い合格率を誇っている。